2023.08.16
先日、甲子園を見た。
私は十代、野球に燃えていた。
しかし最近は野球というと大谷の活躍を見て心が躍るぐらいだ。
たまたま仕事から帰宅すると、茨城代表の土浦日大の3回戦がやっていた。
3回裏、土浦日大の攻撃だったが、すでに6-0と大差で負けていた。
あ~こんなもんか茨城は・・・・・と思わず声を漏らしてしまった。
甲子園に行くだけでも素晴らしいことなのに、私など野球を脱落した人間のクセして失言をしてしまった。
でも高校野球は最後まで分からん、なにせ筋書きのないドラマなのだから。(ドカベンの作者談)
私は稽古の準備もあるので一旦TVから離れた。
しばらくして道場から帰宅すると、なんと1点差ではないか・・・・・
なっ言った通りだろ、と家族に向かって調子のいいことを言った。
結局この試合は10-6と大逆転の末、土浦日大が勝利した。
こういう大逆転はなぜ起こるのか。
私も50年も生きてれば、何度か味わった経験がある。
一番印象深いのは空手の試合だった。
当時の県大会の決勝でちとコイツに勝つのは無理じゃね?て思うぐらい無理ゲー的な感じで挑んだ。
関係者や後輩たちもそう思っていただろうと思う。
笹沼、どれぐらいあがけんのかね~ぐらいなもんだろう。
勝ってるのは体重と年齢ぐらいなもんだ(笑)
もう試合前のアップのミット打ちを見ただけで、周りの選手は静まりかえっていた。(実は俺も・・・・)
から元気でいた私は、それがどおしたとあまり見ないように自分に集中していた。(いや避けていた(笑))
怖いもの知らずだった私は、勝てないまでも一矢報いてやるぐらいの気持ちで挑んだ。
いざやってみると予想通り、頭に膝蹴り回し蹴りがビュンビュン飛んでくるわ、コンビネーションが速いわで、技をなんとか返してはいるが、自分が何をやっているのか分からない状態の組手だった。
当然劣勢のまま本戦が終了した。
は~つええ~つええ~もう疲れたよ、まあまあ準優勝でも俺はよくやったよぐらいの感じでいた。
判定のコールを聞くとなぜか自分のセコンド陣がなんか湧き上がっていた。
はい、構えてと主審に言われ、はっなに?なんで?どした?
負けだと思っていた私は、頭の整理がつかないままだった。
なんと引き分けではないか。
どう見ても向こうの勝ちしょ・・・・・
またコイツとやるのかよ・・・・・・・・
ともう私は正直、意気消沈気味だった。
そして延長1回目も再び似たような展開に。
しかし今度は旗の上がりが引き分けのみになった。
2回目の延長・・・・・
さすがにあちらさんも疲れてきたのか、足の上りが悪く攻撃力がかなり下がり始めた。
なんとなく自分と五分五分の展開になってきたような気がした。
二人ともグダグダになりながらも闘犬のように終了の太鼓の音がなるまで殴り蹴りあっていた。
またもや引き分け。
さすがにこれで終わりを確信した。
そう体重判定になれば私のほうが重いのは一目瞭然だったからだ。
当時、世界大会を目標にしていた私は対外人との闘いを見据え、増量に増量を重ねていた。
体重計を乗るまでもなかった。
あ~終わった、今度は安堵感からか、もうちょっとあれば勝てたんじゃね、などとほおけた思いにふけながら、マットに上がり判定のコールを待っていた。
あ~今度こそ終わったと、ちと寂しい思いもしていた・・・・・
アナウンスが流れ、場内は静かに結果を聞き入った。
すると向こうの勝ちのコールかと思いきや10㎏の差がないため、再々延長をやると・・・・・・
な、なに?
んな話聞いてねえぞ?
先ほどの安堵感から再び地獄に突き落とされた。
ま、またやんの・・・・・
おそらく私ほどではないにしろ向こうもそう思っていただろう。
もうとことんやっちゃる、とそんな思いは映像を見ると二人とも微塵もなかった(笑)
盛り上がってんのは周りだけ・・・・・・
蹴りが得意な相手は前蹴りを出してきた。
もうスピードも力もないため捌きやすく、当時得意だった捌いてからの足掛けが何度か決まった。
いや決まったというか相手をこかす程度だが・・・・・
技というより相手が疲れていたため、ただこけた(笑)??????
そこが勝因となったのか判定5-0で優勝が決まった。
そうまさしく、私にとっての大逆転だ。
この9分間の戦いは、私にとって貴重な経験をもたらした。
前回大会の古舘戦同様(こちらも延長2回)、相手を見えるというか感じるというのか、ここで何かが覚醒したような気がした。
気のせいかもしれないが、不思議な感覚だった。
そんな感覚になったのがこの加藤戦と古舘戦だった。(アイツとかコイツとかごめんね加藤君)
限界近くまでいくと、何かが感じられるのか?
よく分からんが・・・・・・・
大逆転とは、劣勢の状況から逆転勝利することを指します。
スポーツやビジネスなど、様々な勝負といったピンチな場面で起きる出来事だろう。
私の考える大逆転とは 目標に集中し、努力を重ねそれに向かって進み続ける。
そして失敗しても、やり続けることが大切なのではないかと思う。
そうすることによって、ピンチからチャンスに変わる勝負の流れも掴めるのではないだろうか。
日頃からの努力によって諦めない心が宿る、これが私なりの経験からなる大逆転の定義 です。
PS.土浦日大の1番セカンドの中本佳吾選手は美野里中出身の選手ということを次男坊から聞きました。
彼の活躍は数多くの大会で見られると、かなり評価が高いです。
そんな素晴らしい選手が地元にいて甲子園で活躍したことを誇りに思います。
ぜひ来年は甲子園で優勝していただきたいです。
ベスト4おめでとう!