2024.07.23

【引っ張られる力と同調】

相手によって自分の力が上がったり下がったりするような感覚を味わったことはないだろうか。

相手とコンタクトする競技、もしくは何かをしていて隣の人や大勢の人に良くも悪く引っ張られることなどないだろうか。

私はいくつかの場面で遭遇した。

引っ張られる力と言ってもで解釈は様々だ。

物理的な力・心理的な力・共感・説得力・依存・魅力・社会的な力・集団圧力・権威への服従・社会規範

など細かく挙げられる。

 

小学校時代リレーの時、私の走る前に校内短距離№1の男がいた。 

私も校内では5本の指に入るぐらいではいた。

№1を競技中にしかも目の前でなかなか見られるものではない。

一体どうやったら彼のように速く走れるのか。

必死に彼の後ろを追いかけた。

そして何かしらヒントを得ようとした。

まるでスキップしてるかのように飛び跳ねているようなバネのある走り方だった。

当時よく分からなかったが、とにかく彼には勝てないんだという喪失感と驚きが小学生ながらも感じ取れた。

 

長距離走は苦手であり、短距離走と比べると大嫌いだった。

小6の時、意味も分からず6年生だけが1500mを走らされた。

結果8位で入ってきたが、まあまあこんなもんだろうと自分を心の中で讃えた。

教室に戻ると駅伝のメンバーに選ばれました~と担任の先生に言われた。

正直、嬉しくもなんともなかった。

なぜかと言うとマラソンが嫌いなのと、伸びしろがないのを自分なりに悟っていたからだ。

この競技は俺には合わないと・・・・・・・

先生、俺辞退するわと言っても、学年の代表なんだよ、頑張りなさいよと半ば強引にやらされた。

この頃の時代は集団圧力的な強引さが強かった。

お前ら小学生ごときに拒否権はないぐらいな(笑)

給食前と学校帰りには毎日走らされた。

確か10人か12人選ばれていたと思うが、8位だった俺は練習するたびに順位は下がっていった。

本番前の最終調整の頃には、毎回ビリだった(笑)

このストレスおわかりになるだろうか。

そう俺だけが伸びていなかったんではないだろうか。

自分より遅かったやつが悠々と私を抜いていった。

正直、気持ちが入ってなかったからといってもショックだった。

でも5分を一度も切れなかった私が最終的には4分台をたった1度だけ叩き出した。

 

このように短距離走№1と伴走した時にはなにも起こりはしなかったが、マラソンでの練習は私のやる気はいまいちでも集団でのポジティブな行動が私にも少なからず効果が出た一例だ。

こんな笑える話もある。

若い頃、カラオケに行くとわかったことが、なぜか音痴はカラオケが妙に好きだということと、自分が音痴だと気づいてないことだ。

1曲ぐらいならまだ許せるが音痴のくせにやたら連続して曲の予約を入れている。

まあそんなバカな後輩には気持ちの高まるサビの部分で消してやったが・・・・・・・

私の番に回ってイントロを聞くと「俺、これ好きなんすよ一緒に歌っていいですか?」と音痴の後輩が絡んできた。

嫌々デュェットするとなんと私のいくらかマシな音感が音痴に引っ張られてしまうのだ。 

そう音痴と一緒に歌うと、音感がまるでわからなくなってしまうのだ。

 

こんなこともある。

練習環境で自分のクオリティも引っ張られたり落ちたりとか・・・・・・・

どうしてもレベルの低い選手と稽古するとクオリティが落ちるのは仕方ない。

その選手や道場生にレベルを合わせなくてはならないからだ。

ある時移籍してきた鈴木という選手がいた。

やたら強いのに帯は黄色。

185㎝の80㎏以上と選手としての体格は申し分なかった。

当時の水戸道場は精神論が強く、量をこなすのがあたりまえの稽古だった。

まあ極真はどこも似たようなものだったとは思うが・・・・・・

鈴木が来てからは少し変わった。

我々の稽古量は基本変わらなかったが、質が変わった。

鈴木のアドバイスや練習方法、考え方などは少なからず我々には良い方向での影響を与えた。

いや正確にいうと参考になった、または考えさせられたというべきか。

まあ多少悪い見本もあったが、ここでは割愛する。

とにかく今まで水戸道場にはいなかった異質な存在であり、少なからず私は彼の考え方や稽古法などには良い意味で影響されたのは間違いない。

 

このようにマラソンのような乗り気でない競技でもやる気のある集団の中で揉まれると、勝手にレベルが上がってしまったり、鈴木のような異質な存在が交わるおかげで、練習の質や雰囲気が変わるという現象が起きる。

短距離走でも当時は分からなかったが、おそらく彼に引っ張られてたのではないだろうか。

まさにこれが引っ張られる力、知らぬ間に同調していたということなのだろう。

カラオケのような悪い例もあるが、集団の雰囲気やたった一人、異質なものが入っただけで良くも悪くも変わるというのは、ある意味おもしろいものだ。

 

小美玉地区道場
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